01
EQUARiUM とは
「この EQ、表示どおりのカーブになっているのか?」「このアウトボード、実際はどんな特性なのか?」に答えるプラグインです。テスト信号を使った本格的な伝達関数計測を、DAW に 2 つ挿すだけの操作で行えます。
- 振幅特性(メインカーブ)に加えて、位相・群遅延をオーバーレイ表示できます。
- EQ のノブを動かすと、カーブが数百 ms で追従します。
- 対象のレイテンシは自動整合されます。リニアフェーズ EQ にも対応します。
対応環境: macOS (arm64) / VST3・AU・Standalone。
02
セットアップ
トラック
→
EQUARiUMSEND · G1
→
対象 EQ
→
EQUARiUMRECEIVE · G1
→
出力
- 計測したい EQ の前に EQUARiUM を挿します。1 つ目のインスタンスは自動で SEND になります。
- EQ の後に EQUARiUM をもう 1 つ挿します。2 つ目は自動で RECEIVE になります。
- 両方が揃った瞬間に計測が自動で始まり、RECEIVE 側にカーブが表示されます。EQ のノブを動かして変化を確認してください。
- 複数トラックで同時に使う場合は、ペアごとに GROUP(1〜8)を合わせます。
重要: 計測中、このトラックの音は完全にミュートされます。計測用のテスト信号はプラグインの外へ出ません。SEND のみ挿した状態では無音で待機し、クリックノイズも発生しません。ミックスを聴きながらの計測はできないため、計測専用の場面(またはトラックの複製)で使ってください。
03
画面構成(RECEIVE)
EQUARiUM
SENDRECEIVE
⧉ 1
RUN
☰
RANGE±6±12±24±48
WINDOW16K32K64K
OVERLAYPHASEG.DELAYOFF
LAT 20.1 ms
CONF 96%
1
2
3
4
5
6
7
- SEND / RECEIVE — このインスタンスの役割です。挿した順に自動設定されます。
- GROUP — リンクグループ(1〜8)です。クリックするとドロップダウンで選択できます。
- RUN / PAUSE — 計測の一時停止です。PAUSE 中は無音のまま待機し、カーブは最後の状態でホールドされます。
- 設定メニュー(☰) — 背景枠(Glass / Line / Off)の切替です。
- 表示ツールバー — RANGE / WINDOW / OVERLAY(第 4 章)。
- カーブ表示 — 白がメインの振幅カーブ、アンバーの破線がオーバーレイです(第 5 章)。
- LAT / CONF — 検出したレイテンシと計測の信頼度です。
04
表示コントロール
| コントロール |
内容 |
| RANGE | 縦軸のレンジを ±6 / ±12 / ±24 / ±48 dB から選びます。微妙なシェルフは ±6、大胆なカットは ±24 以上が見やすくなります。 |
| WINDOW | 解析の時間窓 16K / 32K / 64K です。長いほど狭い Q のフィルターまで精細に見える(48kHz で約 2.9 / 1.5 / 0.7 Hz 分解能)代わりに、ノブ操作への追従が遅くなります。SEND / RECEIVE 間で自動的に同期されます。 |
| OVERLAY | 振幅カーブに重ねる第 2 カーブです。PHASE(位相)/ G.DELAY(群遅延)/ OFF を選べます。 |
| RUN / PAUSE | 計測の一時停止です。PAUSE 中はテスト信号を止めて無音で待機し、カーブはホールドされます。 |
| GROUP | リンクグループ 1〜8。同じ番号の SEND / RECEIVE がペアになります。 |
05
カーブの読み方
- 白い実線が振幅特性です。横軸は 20 Hz〜20 kHz の対数スケール、縦軸は RANGE で選んだ dB レンジです。
- アンバーの破線がオーバーレイ(位相または群遅延)です。ブーストの前後で位相が回る様子や、リニアフェーズ EQ との違いがひと目で分かります。
- カーブが薄く描かれている帯域は、コヒーレンス(信頼度)が低い部分です。値を鵜呑みにせず参考程度に見てください。
- カーブの上でポインタを動かす(または左右の矢印キー)と、その周波数の値を読み取れます。
- 低域の表示は FFT の分解能に合わせて滑らかに補間されます。狭い Q の低域フィルターを正確に見たいときは WINDOW を長くしてください。
06
計測の仕組みと注意点
SEND は、聴感上ノイズに近い専用のテスト信号(マルチトーン、実効 −12 dBFS)を連続再生し、RECEIVE が EQ 通過後の信号と比較して伝達関数を推定します。ノイズやディザではなく解析窓と同期した信号を使うため、短時間で安定したカーブが得られます。
- 対象プラグインのレイテンシは相互相関で自動整合されます。手動のディレイ合わせは不要です。
- 信頼度(コヒーレンス)は常時計算され、CONF 表示とカーブの濃さに反映されます。
- SEND と RECEIVE の間には計測対象だけを挿してください。ディストーションなど非線形なプラグインが挟まると信頼度が下がります。
- 計測中トラックは完全ミュートです。計測が終わったら EQUARiUM を 2 つともバイパスまたは削除すれば、通常の再生に戻ります。